家づくり家づくりの「知っ得」情報4
室内環境(湿気)
昔の家と現在の家
【昔】日本の伝統的な家
住宅に土や畳・板材は、湿気を蓄える性能に優れています。外からいつも風が通り抜ける自然素材を使用している、日本風土に合った造りです。
しかし、住宅としては隙間が多く、夏に涼しくとも冬の暖房効率は悪い、いわゆる夏型住宅でした。
【現在】住宅やライフスタイルの洋風化
住宅やライフスタイルの洋風化により、内装はクロス仕上げ、床材は畳からフローリングへと変わりました。これらはデザイン性・機能性は優れていますが、湿気を蓄える性能は畳や板張りほどありません。
また、省エネ型住宅として高気密・高断熱化が進みました。生活の変化により個室化、気密化、非木質などの住宅が多くなりました。
- 窓・サッシの断熱、気密化
- 冷暖房の普及
- 生活の変化
【新たな問題】シックハウス症候群
シックハウス対策のために、2003年7月に建築基準法が改正されました。
- 換気設備の義務化
- ホルムアルデヒドの使用面積制限
- クロロホルムの使用禁止(防蟻剤)
換気扇は湿気が出ていくだけではありません。
室温がアップすると湿度がダウン、室温がダウンすると湿度がアップ
- 夏季:気温30℃、湿度70%の外気を室内で26℃にすると、湿度は88%になります。
- 冬季:気温5.8℃、湿度50%の外気を室内で20℃にすると、湿度は20%になります。
不快指数とは、暑さだけでなく湿度を加えた、蒸し暑さを表すために考案された指数です。
不快指数 | 体感 |
---|---|
寒い | |
55 | 肌寒い |
60 | 何も感じない |
65 | 快い |
70 | 暑くない |
75 | やや暑い |
80 | 暑くて汗が出る |
85 | 暑くてたまらない |
暑くてたまらない |
室温 28℃、相対湿度 60%不快指数 77
エアコンで室温を2℃下げても、湿度調整がされないと不快指数は変わりません。
室温 26℃、相対湿度 85%不快指数 77
同じ不快指数ならエアコンの温度を2℃上げているほうが省エネになります。
快適さを得るには、室温と湿度はバランスよく調整する必要があります。
- 夏季:冷房などで室温がダウンすると湿度がアップ湿度70%超え快適湿度を保つには除湿が必要
- 冬季:暖房などで室温がアップすると湿度がダウン湿度30%以下快適湿度を保つには加湿が必要
快適さを得るには、湿度を適度に保つ調湿が必要です。
快適湿度を保つには「湿気の調節」がポイント
湿気は通常の生活でも大量に発生します。およそ4人家族で10L/日です。
- 家族4人が1時間同じ部屋にいるだけで、およそ500mL
- 料理:1400g/h
- 洗濯:部屋干し1.5kg(4人分)
- 睡眠:55g/h
- 入浴:230g/回
結露とは?
気温が高いほど空気が持ち得る湿度は多くなります。ある気温以下になれば持ち切れなくて水に変わります。それが結露です。
例)気温が30℃から0℃に変化するまでの湿度変化
快適湿度 40~70%
快適湿度を保つには「湿気の調節」がポイント!
快適湿度を保つには「湿気の調節」がポイントですが、湿度の調節は、温度調節とは違い感じづらく難しい! これを調節する機能が調湿です。
機械的に湿度調整
- 利点:素早い対応が可能
- 欠点:エネルギーの消費、空気の対流ムラによる滞留の心配
調湿建材での湿度調整
- 利点:エネルギーが不要、空気の対流ムラにも対応
- 欠点:効果までに時間がかかる